子宮筋腫が10センチの時とは?
ここでは、「子宮筋腫が10センチの時」
についてお話します。
「婦人科検診を受けた際に、
初めて子宮筋腫が見つかってびっくりした…」
という経験のある方は少なくありません。
中でも、10センチを超える大型の
子宮筋腫が発見された場合には
ショックも大きいですし、
これから手術をしなくては
ならないのかと不安になりますよね。
果たして10センチを超える
子宮筋腫がある場合には、
必ずしもすぐに手術が
必要なのでしょうか?
今回は大きい子宮筋腫ができた
場合の治療方針と手術をしない
場合の治療方法について、
詳しく解説したいと思います。
10センチを超える筋腫は手術?
子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる
良性の腫瘍ですが、発症したから
といって必ずしも手術をしなくては
ならないわけではありません。
特に日常生活に支障のある症状が
でているわけではない場合は、
大きさに関係なく
経過観察になることもあります。
子宮筋腫の発生や成長には
女性ホルモンの一種である
エストロゲンという物質の働きが
関係していると考えられていますので、
閉経間際の女性であれば特に
治療はせずに閉経まで逃げ切って
しまえばあとは女性ホルモンの
減少に伴って子宮筋腫も
小さくなっていきます。
10センチを超える子宮筋腫の場合も、
大きいからといってすぐに
手術を行なうわけではありません。
どちらかというと大きさよりも
発生した場所や数の方が重要で、
「粘膜下筋腫」
という子宮の内側にできる筋腫は
比較的小さいものでも症状がでやすく、
治療が必要となる場合が多いです。
一方、
「漿膜下筋腫」
という子宮の外側にできる子宮筋腫は
10センチを超えるようなものでも
症状がでにくいので経過観察に
なることもあるんです。
また妊娠を希望している場合には
子宮筋腫があると不妊の原因と
なってしまうことがあるので、
医師と話し合った上で3センチ以上の
筋腫は手術で取り去ってしまう
必要があることもあります。
手術をしない場合は?
特に手術はしない方針で決めた
場合には、他にどのような
治療方法があるのでしょうか?
まずは症状に対する対処療法を行ないます。
貧血がある場合には鉄剤、下腹部痛や腰痛、
生理痛には鎮痛剤、過多月経には
止血剤が処方されることもあります。
またホルモンバランスを調整するために、
ホルモン剤や漢方なども処方されます。
ホルモン剤には、子宮筋腫の成長に
関わるエストロゲンの分泌を
抑える作用のものもあり、
服用することによって子宮筋腫を
一時的に小さくすることが可能です。
経過観察の場合は最低でも半年に
一回は定期的に婦人科を受診する
必要があります。
子宮筋腫の治療法は、
子宮筋腫の状態や患者の
ライフスタイルなどによって
人それぞれ最適な方法が異なります。
かかりつけの医師と、手術が
必要かどうかも含めてよく話し合いましょう。