子宮筋腫で妊娠は帝王切開になるの?
ここでは、「子宮筋腫で妊娠は帝王切開になるのか」
についてお話します。
子宮筋腫は初期ではあまり自覚症状がないため、
気がつかないでいる女性もたくさんいます。
おそらく妊娠して、
妊婦検診でエコー検査を受けた際に
初めて子宮筋腫が見つかった…
という経験のある方は少なくないでしょう。
果たして、妊娠中に子宮筋腫が
発見された場合は正常に妊娠を
継続して無事に出産することが
できるのでしょうか?
また、子宮筋腫があると予定帝王切開になる
という話は本当なのでしょうか?
気になる妊娠と子宮筋腫の関係について、
詳しく解説したいと思います。
妊娠中に子宮筋腫が見つかった場合…
子宮筋腫とは、子宮の筋肉層に
発生するコブのような良性腫瘍です。
成人女性の3~4人に1人の割合に
みられるほどありふれた婦人科疾患ですが、
初期には自覚症状があまりないために
気が付きにくいのが特徴です。
そのため妊婦検診で初めて発覚する
ケースはとても多く、
約1割程の妊婦さんが妊娠中に
子宮筋腫を持っているとされています。
実はこの状態は
「子宮筋腫合併妊娠」
と呼ばれており、リスクのある妊娠の
一つとして病院側からきちんと
管理される対象となります。
しかし殆んどの場合は子宮筋腫が
ありながらも、問題なく妊娠を
継続して出産を行なっています。
筋腫ができた場所や大きさ、
数などによっては妊娠中に手術が
行なわれる場合もありますが、
これはこれで胎児にも母胎にも
リスクのある行為ですので、
よっぽどの状態でない限りは行ないません。
子宮筋腫が妊娠に与える影響は?
妊娠中に子宮筋腫があると、
どんなリスクがあるのでしょうか。
子宮筋腫とはいっても発生した場所や大きさ、
数などによって人それぞれで状態が
異なりますから、妊娠に与える影響も
個人差があります。
殆んどの場合問題なく妊娠を継続できますが、
できた場所によっては早産や流産の
リスクがあったり、
大きい子宮筋腫に
胎児の発育が阻害されたり、
前期破水や胎盤早期剥離などの恐れがあります。
また出産時にも影響がでる場合があります。
子宮筋腫があると子宮の収縮による
陣痛を妨げることがあるので、
正常な陣痛が遠のいてしまって
微弱陣痛になってしまうことがあるんです。
この場合は陣痛促進剤を
使わなくてはならない場合もあります。
子宮筋腫があると帝王切開になるの?
「子宮筋腫がある妊婦さんは帝王切開…」
というイメージがあるかもしれませんが、
すべての子宮筋腫が帝王切開の
対象となるわけではありません。
ただし、あらかじめ妊婦検診で
子宮筋腫の位置が子宮の出口辺りの
産道付近にあるとわかっている場合は、
予定帝王切開になる可能性が高くなります。
出産時に赤ちゃんが出てくるのを
妨げてしまう恐れがあるためです。
ちなみに、帝王切開になった場合は
そのまま同時に子宮筋腫も
取ってしまうケースが多いです。
産後の子宮収縮を妨げたり、
次回の妊娠で不妊の原因となったりする
可能性があるからです。
しかしながら殆んどの場合は
子宮筋腫があっても、まずは
自然分娩を試みることになります。
通常の妊娠でも分娩中に少しでも
胎児や母胎に異変が現れたら
その場で帝王切開に切り替わりますが、
子宮筋腫がある場合は
そのリスクが6倍とされています。
妊娠、出産は医師もかなり慎重に
経過をみていますから少しの
心配材料でも帝王切開が
選択される傾向にあるのです。
子宮筋腫があるからといって、
必要以上に心配になることはありません。
毎回きちんと注意深く経過を
観察すれば殆んどが問題ないのです。
ただでさえ不安な妊娠生活ですので、
子宮筋腫に関する心配事はその都度
かかりつけ医に相談してしっかり
解決しておきましょう。