子宮筋腫手術で妊娠希望の時とは?
ここでは、「子宮筋腫手術で妊娠希望の時」
についてお話します。
「子宮筋腫があると、
不妊の原因になる場合がある…」
という話を聞いたことはありませんか?
そのため将来的に妊娠を希望している
女性に子宮筋腫が見つかった場合、
大変な悩みの種になってしまいます。
不妊治療の手段として、
少しでも妊娠する確率を上げるために
子宮筋腫の手術が行なわれることが
ありますが、
まだ不妊治療を開始していない場合や、
そこまで子宮筋腫の症状が
でているわけではない場合などは
いまいち手術に踏み切れない方も
多いかと思います。
今回は妊娠希望の場合に子宮筋腫の
手術を受けるべきか
どうかについてお話しします。
また手術を受けた場合、
手術後の妊娠可能時期や注意点に
ついてもご紹介したいと思います。
妊娠希望の場合は手術すべき?
子宮筋腫は子宮の筋肉層に発生する
良性の腫瘍ですが、命に関わるような
病気ではありません。
しかし放っておくとどんどん
大きく成長して、小さいものは
数ミリですが大きくなると
数10センチになることもあります。
「子宮筋腫が妊娠を妨げる場合がある…」
というのは本当の話ですが、
必ずしも全ての子宮筋腫が
該当するわけではなく、
筋腫があっても自然に妊娠、
出産している方もたくさんいらっしゃいます。
妊娠に影響するかどうかはできた場所や
大きさなどによって異なりますが、
特に卵管やその付近に発生すると
受精卵の通り道を塞いでしまうので
不妊の原因になってしまう可能性があります。
また子宮の内側に発生するタイプの
筋腫であれば、子宮内膜がデコボコに
なるために受精卵が着床しにくい
環境になってしまうことがあります。
以上のような状態であれば、
筋腫の大きさや症状の有無に関わらず
手術で摘出してしまう方も多いです。
手術後はいつから妊娠可能か?
妊娠希望のため手術をする場合は、
子宮を温存して筋腫核部分のみを取り除く
「子宮筋腫核出術」
を受けることになります。
その場合、お腹を切り開いて行なう
「開腹手術」か、
お腹にいくつか
穴を開けてそこから内視鏡や器具を
入れて行なう「腹腔鏡下手術」、
膣から内視鏡や器具を入れて行なう
「子宮鏡下手術」…
などの選択肢がありますが、
子宮筋腫の大きさや状態などで
最適な方法が決定されます。
どの手術方法でも身体の表面や内部に
傷跡ができるわけですから、
完全な回復には時間がかかります。
通常、手術後1〜3ヶ月以内に
正常な排卵が起きて2サイクル後には
妊娠が可能とされていますが、
子宮破裂などのリスクを回避するためには
最低でも術後半年は妊娠を
控えるべきとされています。
注意するべき点について
子宮筋腫の手術を受けた後に
妊娠を希望している場合は
特に注意しなければならない点があります。
それは手術によって子宮の壁が削りとられて
薄くなっているために、出産の際に
子宮が破裂するリスクが
僅かにあるということです。
そのため、リスクを回避するために
通常は子宮筋腫の手術を受けた女性は
あらかじめ予定帝王切開になることが
決まっています。
また子宮筋腫出術の場合は、
子宮を温存しているために
子宮筋腫の再発リスクがあります。
子宮筋腫は子宮がある限り何度でも
できる可能性がありますから、
将来的にもう一度治療が
必要になることがあるんです。
子宮筋腫が妊娠に影響するか
どうかは人によって違います。
詳しくはかかりつけの婦人科医に相談しましょう。