子宮筋腫の術後に排卵痛の時とは?
ここでは、「子宮筋腫の術後に排卵痛の時」
についてお話します。
子宮筋腫の症状に悩まされ、手術で
「子宮全摘出術」
を受けた女性の中には、術後に
排卵痛のような症状を感じる人がいます。
「子宮を全摘出したのに、なぜ排卵痛?」
そこには何か別の病気が
潜んでいるのではないかと
心配になりますよね。
しかし実は子宮を摘出した後でも
排卵痛が起こる可能性はある…
ということを知っていますか?
今回は、子宮全摘出術の術後に
起こることがある排卵痛について、
考えられる原因を解説したいと思います。
子宮全摘したのに排卵痛?
「子宮全摘出術」とは、子宮筋腫を
子宮ごと全て摘出してしまう
手術方法のことをいいます。
それに対して、子宮は温存して
筋腫核部分のみを摘出する方法は
「子宮筋腫核出術」といいます。
子宮全摘出術は子宮を丸ごと
取ってしまうことになりますが、
子宮筋腫核出術に比べると大量出血や
再発のリスクがないというメリットがあります。
しかし稀に子宮がないにも関わらず
毎月のように排卵痛が起こったり、
生理がないのに月経前症候群のような
症状に悩まされることがあるんです。
排卵痛が起こる原因は?
実は手術後に排卵痛が起こる原因は
卵巣機能によるものと考えられています。
子宮全摘出術は、子宮は取って
しまいますが卵巣機能は
そのまま残しておきます。
したがって、今まで通りきちんと
女性ホルモンが分泌されますし、
毎回排卵も起こります。
そうすることで今まで通りの
女性らしさを維持する働きがあり、
また骨粗鬆症や認知症を
予防する効果もあります。
しかしその一方で排卵に伴う排卵痛が
起こったり、女性ホルモンの影響で
月経前症候群のような症状が現れる
可能性があります。
ここである疑問が湧きあがります。
「排卵が起こるって…子宮がないのに
排卵された卵子はどこへ行くの?」
それについては、身体の仕組みは
よくできていて、排卵された
行き場のない卵子はそのまま身体の中に
自然と吸収されていきます。
そのプロセスを何度か繰り返していると、
排卵の必要性がないと脳が理解して
排卵の仕組み自体もやがて
無くなっていきます。
またなかなか排卵痛がなくならない…
という場合には排卵痛ではなく、
手術後の影響で卵巣部分が炎症を
起こして腫れている可能性があります。
その場合はかかりつけの
婦人科医に相談してください。
感染を起こしている場合には、
抗生物質による治療が必要となる
可能性もあります。
子宮全摘出術後の排卵痛や
月経前症候群の症状は、
女性らしさを失わないための
卵巣機能による影響です。
排卵痛の痛みが気になる場合は、
他の病気の可能性もゼロではありませんし、
一度婦人科で相談してみると良いでしょう。